リップを付けている際に気になる気泡。
これどう思いますか?手作業で作っているルアーはどれも均一ではなく、それこそ接着剤の固まり方にも目がいきますよね。(え?気にしない?)
爪楊枝でツンツンして気泡を消しました。
ウチでは2液性のエポキシでリップの接着をしています。エポキシは気温で粘度や固まる時間が変わってきます。夏時期はさらさらと流れやすく、冬時期はドロッとして粘度が高い。夏は固まりやすく、冬は固まるのに時間が掛かります。夏時期に多めに付けてしまうと吊り下げているうちにドロ~と流れてきてしまって、慌ててふき取って逆さまにしたり。付けた後に暖房を入れると中から気泡が出てきてしまったりと、意外と気を使う作業です。「上手く出来た!」と思っても仕事から帰宅すると、流れたり気泡が出てたりする事がたまにあります。作り手としては結構気にしてます。割とアメリカのクランクベイトだと「こんなもんかな?」「それが味でしょ!」と許されやすい気がしてます。日本製だと「いや、ここがさ・・・。」と言われてしまう気がしてます。そんな不安定な作業・・・色々考えたり気にしたりするわけですが、それでもなかなか難しい。でも長くルアーを作っていると答えが出てきます。「なるべく綺麗になるように頑張ってます。」です。いくら作っても完全に解決が難しいと思うと、自然と自分なりの答えが出てくるもんです。そうするしかなくなる。
先日の「自作杯」ではこれ系の話が出来たのが面白かったです。
SH4というカラーの縦縞。これを薄く入れるのか?濃く入れるのか? 「それは作り手の思う所でいいんじゃない?」なんて意見がありました。またリップの取り付けが少し曲がってしまっている→クレーム。購入したルアーをぶつけたら塗装が割れた→直してくれ。など皆さん色んな所で悩んでいるようです。あと値段とか。
文句言うな!どーのこーの!という事を言いたいわけじゃなくて、「ものづくりって難しいな」と思います。いつでも完璧なものを作りたいわけですが、様々な要素が関係していてそれが難しい。車の塗装もこの車は塗装が弱いとか、それこそリコールも珍しくないし。大企業でもそういった事があるんですよね。
ウチでは「いつでも良いものが作れるように、できる限り頑張っていきます。」としています。購入された方の中で何か気になる点があればご連絡下さい、対応します。またルアーの修理も受付しています。お金取る気はないです。
均一性が難しくて、でも手作業でないと出ない味があって、そんなルアーが自分は大好きです。そんなことを考えながら今日はリップの取り付け、明日はスイムテストですね。