先日の東京ルアーパラダイスではコロンブスを先行販売という形でリリースしました。

開発中色々あったコロンブス、色々勉強する事が多かったコロンブス。その中でこれからのルアーデザインに大きく影響する事がありました。

製品化に向けて色んなプロトを作りました。

とりあえず何となく２つ作る所から始まりました。

テスターさんの要望を聞いて大きさやアクションなどから作る訳です。

で、その最初のプロトを理想のルアーに仕上げるべく改善点を一つ一つ調整していくんですね。

まず最初に変えていったのはサイズでしょうか？ぱっと見ですぐに判断しやすい要素。

動きに関してはタイト！ということで抜けるような動きだったり、ロールの少ない、多いとか色んなのがありました。レンジを変えるとかもう少しウエイトを重くとかって変えると自然と同じ動きの物は出来ないです。それぞれが違った動きをしていました。

「その中でコロンブスは最も釣れる動きになっているんですね？」と言いたくなりますが、

答えはNOです。

 
2年間色んな動きのルアーを投げる事になりましたが、正直釣れる動きというのはないという結論になりました。コロンブスを開発するまでは「釣れる動き」を出さないと！と思っていたんですけどね。

具体的に説明すると、動きの激しい（大きい）クランクベイトが3つあったとして、その中で1.ロールが強め2.ロールが弱め3.巻き抵抗が軽い とあったりすると魚の反応はあまり変わらないということです。（同じジャンルの同じような動きをするルアーへの反応は変わらない。）
以前に雑誌でテールの振り幅が数ミリ変わるだけで魚の反応が全然違うとか読んだ事ありますが、そんな事はないです。

ですが、魚の反応が変わる境は確かにあってクランクベイトでいうと、ワイドかタイトかという点です。これがトマトとコロンブスなんですが、リトリーブしていてブンブンと抵抗強く動くトマトとスルスルと抵抗弱めに動くコロンブス。これぐらい（どれ位？）差があると魚の反応は変わりますね。

同じスポットを流したりテスターさんとボートで釣っていてこの差はありました。
まぁ何というかざっくりいうと細かい動きの違いは関係ないって事です。クランクとシャッドぐらい違えば明らかに違いは出ます。

なのでルアーデザインをする時におおよその所に動きが収まっていればいい訳です。細かく作ってアタリを見つける必要はないです。
じゃあ何処がルアービルダーの腕の見せ所かといえば、使い易さです。

シンプル過ぎる要素ですが、これが本当に大事だと実感しました。

ルアーというのは魚を釣る為の道具、「釣り道具」なんです。

釣り道具に使い易さを求めるのは当たり前の事ですよね？

具体的には釣れる事は勿論として、飛距離と根掛かりにくさでしょうか？釣り人が使いたいルアーってそこだと思います。プラスカッコ良くければ言うことなしですよ。

でもこのシンプル過ぎる要素がかなり難しいんですね。コロンブス最後の問題が飛距離でした。ボートでリズムよく岸に投げていく時は飛ばないと本当にストレスなんですね。コロンブスは何とかCWSの閃きがあって解決する事ができました。

と、いったような事が今の自分の中ではとても大きいです。

コロンブスの開発で自分のルアーデザインが変わりました。次回作は一応もう作ってありますが、その辺をまず考慮しています。

お楽しみに！